私の京アニ史 その1
「というわけで京都アニメーションについて語っていく」
「唐突やな」
「いつものことだし慣れたやろ」
「語るはいいが、なぜ京アニなのか」
「まあなんだ、思うところがあんねん」
「左様か」
「今回は『私の京アニ史』と銘打って、今まで見てきた京アニ作品を感想や個人的な思い出を交えながら振り返っていく」
「ええんやないの」
「そしてここがミソなのだが、紹介する順番は『作品の発表年順』ではなく『視聴順、見てきた順』で行う。こうすることでアニメ語りと自分語りを同時並行でやれるっちゅう寸法や」
「はあ」
「記憶とともに京アニを振り返る。あの頃に想いを馳せる。よみがえったほろ苦さに胸が痛む。なんともセンチメンタルではありゃせんか」
「君の過去なんて大して興味ないけどな」
「冷めてるな」
「そうか」
「せやで」
「趣旨は分かったが、数はどのくらいなんや?さすがに全作品は付き合いきれんで」
「2期や映画版も1期と同一作品にして勘定すると、ざっと16やな」
「そこそこ見てるかな、くらいか」
「せやな」
「では、そろそろ始めてくれ」
1.らき☆すた
「妥当やな」
「Kanonとかハルヒとかは深夜アニメに開眼してからで最初はこれやね。もっとも京アニという名前すら知らなかった頃だが」
「冒険の旅に出るわけでも王子様と恋愛をするわけでもなく、ひたすら女子高生がだらだらおしゃべりをして30分が終わる。まさにカルチャーショックやったな」
「日常だからどうしても絵がだれる。普通にやると飽きる。そこを軽妙な会話としっくりくるBGMでカバーしておる」
「試しに画面を見ずに耳だけで鑑賞しても楽しめるかもしれん」
「教室の窓から見えるグラウンドや下校中の街並みといった風景も味があってよろしかった」
「OPは今振り返ると、ちょっと恥ずかしいな」
「そうなんか」
「背筋がゾクゾクするというか思わず画面から目を反らしてしまう」
「共感性羞恥か」
「そうとも言う」
「しかしだな、あの当時あれが流行ったという事実を避けて、過去から目を背けて、果たして君の京アニ史というもんはできるのかね」
「それはそうやな」
「せやろ」
「まあ特に個人的なエピソードは無いんやけどね」
「なんやねん」
「家族でテレビ見てるときに、OP映像が流れて時間が止まったくらい」
「誰しもが通る道である」
2.日常
「続いてはこれ」
「意外というか、いきなり飛びすぎやろ」
「あの頃は忙しかったり、他に興味があったりしたんや。オタクと言えるほどアニメ好きでもなかったし」
「背中にネジついた少女が曲がり角で大爆発した第一話見て目を丸くしたのを覚えとる。あんな美麗な作画を、あんなくだらないことに使ってるのが可笑しくて仕方なかった。原作コミックも買ってしまったわ」
「一番心惹かれたのはエピソードの間にある定点映像で、生活音しか聞こえん謎の数十秒間は、えも言われぬ快感やったわ」
「案の定、ネットでは尺稼ぎだと叩かれていたな」
「無念」
「そういや「日常」のウィキペディアでこんなのを見つけたのだが」
「ジャンルがポストモダンギャグになっているな」
「シュールなら分かるが、ポストモダンギャグってなんやねん」
「意味不明である」
「今回はここまで」
「なんや、これだけかいな」
「期待しとるやつは、追々出てくるから待っとって」
「左様か」
「こんな感じのシリーズを年末年始にかけて、更新していくつもりですので」
「何卒よしなに」
「していただければと」
「それでは」
「ご機嫌よう」