トーマス・マン
「魔の山」は1924年に発表された長編小説です。第一次世界大戦を挟んで、ドイツ人作家トーマス・マンが10年かけて完成させた代表作です。 魔の山(上)(新潮文庫) 作者:トーマス・マン 発売日: 2017/05/26 メディア: Kindle版 原題 「魔の山」の原題…
新型コロナウイルスの影響で混乱が生じていたがようやくブログの更新ができる。 まるでペストの如き、猛威を振るうウイルスの前に戦争前夜のような生活が続いている。ペストと言えばトーマス・マンの「ベニスに死す」でもペストが出てくる。 dangodango.hate…
「トニオ・クレーガー」ラストに出てくる二人組の男女はハンス・ハンゼンとインゲではない、という意見が翻訳者の間であるらしい。 はっきり言って不毛である。 仮にあの舞踏会にいたのが彼らではなく、赤の他人だったとしてもトニオの結論は変わらない。「…
dangodango.hatenadiary.jp 年内ギリギリであったがアップできた。 トニオ・クレーガーの構成はソナタ形式である。 このことを先に発見したのは私ではなくfufufufujitani氏であった。これをもとに少し自分で解析を加えたのが以前の記事である。 dangodango.h…
「トニオ・クレーガー」は1903年に発表されました。日本では日露戦争の前年に当たります。ほろ苦い青春の書として、ドイツのみならず堀辰雄、太宰、三島、北杜夫など日本の作家にも影響を与えた作品です。 トニオ・クレエゲル (岩波文庫) 作者:トオマス…
dangodango.hatenadiary.jp 以前、トニオ・クレーゲルの解説にて実吉訳の素晴らしさについて触れた。 原文通りなら「道に迷える俗人」と訳すところを「踏み迷える俗人」としたところがポイントで、この翻訳はソナタ形式を意識した上でとても重要なものであっ…
年内にブッデンブローク家の人びとの解説が終わりそうにない。 更新予定としては 1月・・・ブッデンブローク、青ブタ(アニメ)予想の答え合わせ 2月・・・魔の山、何かアニメの予想 あくまで予定なのであしからず。基本は月2回更新である。 というわけで12月…
「ヴェネツィアに死す」の主題について dangodango.hatenadiary.jp この解説では、あえて作品の主題について触れていない。「構造を読む」がテーマなので、話が脱線しないようにした。以下にそれを示す。 「ヴェネツィアに死す」の主題 「若きウェルテルの悩…
前回、音楽の形式(ソナタ形式)を用いた小説の説明をした。 dangodango.hatenadiary.jp 今回も音楽の形式を用いた別の小説の説明をする。タイトルは「ヴェネツィアに死す」 「ヴェネツィアに死す」は1912年にドイツで発表された作品である。日本では明…
「構造を読む」という世界が存在する。 これは文学に限らず、映画やアニメといったジャンルにおいても優れた作品には、「構造」が存在する。 しかし、一般的に「構造を読む」という考え方が広まっていないせいで、その価値を理解されていない作品が多々ある…