ここではアニメーション、特にOP映像における立体的な動作について見る。
一般にテレビアニメでは、冒頭にテーマソングが流れ、付随して様々な映像が見られる。
最初に、下の映像を動作に注目して見る。
以下、静止画像を連続表示。
左右から二人の人物が登場する。
画面中央を基準に鉛直方向をy軸、水平方向をx軸としたとき、この動きはx軸方向の水平移動といえる。
ここまでは、単なる平面的な動きに過ぎない。
しかし、ここから立体的な動作が現れる。
アニメーションにカメラは存在しない。
便宜上、カメラの存在を仮定すると、カメラは二人の人物に向かって接近し、両者のわずかな隙間を通過しているのが分かる。
画面手前から奥に向かって行く方向をz軸とすると、この表現は立体的な動作と呼べる。
この後の映像においても、立体的な動作は続く。
画面端から現れた人物が回転しながら移動し、カメラがアップする。
言い換えると、x軸方向から現れた人物が、回転しながら移動し、z軸方向にカメラが接近したことになる。水平移動から立体移動へ移行している。
人物を変えて、同様のアクションを計3回繰り返しているが、中間部分を省略すると下のとおりになる。
平面的にも立体的にも、対称となっているのが特徴的である。
なお、4人目の動作は立体的であるが、平面移動はなく、変化に乏しい。
立体的な動作はさらに続く。
最初、人物は画面に映らない。
触手が急激な引っ張り動作を起こし、人物が画面右下から登場する。
この時、視聴者は人物が画面外にいたこと、人物が画面外から内へ動作していることを認識する。
引っ張り動作は続き、人物は画面上側を経由して、中央奥へ移動する。
一連の動作で、人物は画面外→画面右下→画面上→画面中央奥へと移動している。
次の立体的な動作は、画面下側で見られる。
ローアングルが特徴的である。
画面右側に人物が立っている。
この後、画面中央奥で変化が起きる。
変化に伴い、画面奥から風が発生しているのが分かる。
飛行物体が画面下から鉛直方向に動作している。人物もそれに応じて、腰を下げて身構えている。
ここで風に注目する。風は白い波紋として表現されている。波紋は奥から手前方向に広がってゆく。
前後を連続表示すると、画面がぼやける瞬間を確認できる。
この瞬間、風がカメラの位置まで到達したことを意味する。
ここでは、鉛直方向の運動に呼応して、風が立体的な動作をしている。
OP映像では、さらに立体的な動作が続く。
その2へ続く。
出典
https://kyoukasyo.com/junior-high-school/writing-a-graph-of-proportions/