週休二日〜アニメと文学の分析〜

ネタバレあり。一緒に読み解いてくれる方募集中です。詳しくは→https://yomitoki2.blogspot.com/p/2-510-3010031003010013.html

読み解き物語 その1

dangodango.hatenadiary.jp

トーマス・マン魔の山」の読み解きついにアップした。

 

ここまでくるのに2年かかった。2018年から読んでいるので、「注文の多い料理店」や「輪るピングドラム」よりもずっと前から読み解きしていたのである。脱線しすぎかもしれないが、全然突破口が出てこなかったのだから仕方ない。来るまで待つ。とにかく待つ。何が来るのか。ある時、ビビッと電流が走って、モヤモヤがパァッと晴れるのである。自分でもよく分かっていない。

 

神曲 煉獄篇」が下敷きになっていることはもうずっと前に、fufufufujitani氏が見抜いていた。

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この時点で半分は読み解けていたのである。他人の功績だが。あと半分を自分がやってしまおう、という魂胆であった。我ながらせこい人間である。

 

しかし、いざ自分でやってみると全然上手くいかない。まず読めない。エクセルで表を作ろうとしても細部が気になって進まない。

 

そもそも、なぜこの人は文学読むのにエクセル使っているのだろうか?

 

最初は凄く不思議だった。批評家でも文学研究者でもない彼の書いた解説記事は、しかし誰よりも説得力があった。説得力というよりも、彼だけがドストエフスキーとか太宰治といった文豪たちに立ち向かっていたことへの感動だった。他の優秀な人たちが優秀であるが故に避けるところを、彼だけががっぷり四つで戦っていた。その度胸がどこから湧いてくるのか理解できなかったが、どうもエクセルで作った章立て表及び登場人物一覧表にあるらしい。

matome.naver.jp

一度だけ、fufufufujitani氏が運営する「新よみとき草紙」にコメントを送ろうとしたが、なぜか反映されなかった。今思うとあれは私のアカウントに問題があったのだと思う。

 

依然として、苦しい時間が続いた。知恵熱が出るほど頭が煮えたぎり、エクセルでぽちぽちするのが死ぬほど面倒になった。「ワルプルギスの夜」とか「神の国の樹立」とか「セテムブリーニ」とか意味不明な単語が脳みそをぐるぐる旋回して、私の肉体を大いに疲弊させた。

 

我慢の限界であった。

 

私は立ち上がると「魔の山読み解けないんでアドバイスくれ」と、fufufufujitaniと名乗る正体不明の人物に電子メールを送信した。強く叩きすぎてエンターキーが悲鳴を上げた。その破壊音は状況を打破できたときに鳴るBGMみたいなものだと私は認識した。「ネットリテラシー」という言葉を知ったのは、もっとずっと後のことだった。

 

それは、2018年7月ーーサッカー日本代表がベルギーに惜敗し、西日本豪雨がワルプルギスばりに猛威を振るったとき。インターネットの片隅で何かが動き始めた。

 

つづく

 

 

 

 

 

 

「読み解き物語 その2」から時系列で読み解き作業を振り返っていきます。