週休二日〜アニメと文学の分析〜

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「神曲」の原題について

ダンテの「神曲」一通り読み終わった。

しかし、どうも「神曲」というタイトルがおかしい。違和感を覚える。

 

原題はLa Divina Commedia。直訳すると神聖喜劇である。ダンテ自身はCommedia、とだけ呼んだらしいが、あとから神聖が前に付いた。

(ダンテの時代にはCommediaに喜劇という意味は無かったとのことだがひとまず置いておく)

 

問題は日本に入ってきたときに「神聖喜劇」が「神曲」と訳されたことである。初出は森鴎外訳のアンデルセン「即興詩人」の中に出てくる。この翻訳がいかにも鴎外らしく、古語たっぷり格調高いもので、はっきり言ってアンデルセンの原型ほぼ無い。しかし、名訳だということでかなり評価高い。もはや日本文学コーナーに分類されてしまっている。

 

それで大文豪の鴎外が「神曲」と訳したのだから「神曲」なのだろう、という流れで今日に至る。今では素晴らしいタイトルだ、などと言われている。

 

しかし、内容読むと「神曲」という感じがしない。俗っぽい言葉遣い(トスカーナ方言)、冒頭が暗く結末が明るい(=喜劇)、社会風刺から「神聖喜劇」の方が適切だと思われる。

 

地獄巡りを通して、社会批判、教会批判がなされる「神聖なる喜劇」なのである。神なる曲というのはニュアンスがズレている。鴎外がどういうつもりで訳したのか非常に気になっている。とはいえ、文句言っても仕方ないので「神曲」というタイトルで統一していく。

 

以上ここまで読んだ感想なのだが、なにぶん14世紀の作品なので読み解き難航している。

 

それにしてもダンテは一神教特有の極端な考え方で、例えばムハンマドは地獄に堕とされている。その他異教徒やダンテの政敵たちも地獄に堕とされている。

 

こういうところ日本人の私には理解し難いのだが、神曲は西洋文学でも最上級の古典なので避けては通れない。とにかく進めていくつもりである。