週休二日〜アニメと文学の分析〜

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CLANNAD第1話

CLANNAD第1話の考察をする。

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まずはじめにテレビアニメにおいて第1話は最終回以上に重要である。この第1話で視聴者をどれだけ掴めるかで今後の視聴率及び利益に繋がってくる。よって制作側も第1話は非常に完成度を高めて放映することが多い。

 

CLANNADも例外ではなく絵コンテ・演出共に石原立也が担当し、作画監督池田和美が担当している。

この二人の組み合わせはこの回と二期の最終回だけである。(アフターの最終回は山田尚子と石原が絵コンテ、山田が演出、高橋博之と池田が作画監督を担当している)

 

 

そういう事情で第1話は注意深く考察する必要がある。

 

第1話で気になった3つの特徴を挙げる。

 

・音楽が素晴らしい

・同時並行する幻想世界

・声優の技術レベル

 

音楽が素晴らしい

とにかく音楽が良かった。CLANNADを知らなくてもサントラを聴けばファンになりそうな勢いがある。それくらい素晴らしい。音楽が良いと作品自体に奥行きができる。ゴッドファーザーとか。

 

「街、時の流れ、人」や「渚」は特に完成度が高く、今後も頻繁に流れてくることが予想できる。その証拠に第1話ではそれぞれ2回ずつ使われている。

 

 街、時の流れ、人           0m1s、21m20s

渚                                    0m40s、13m17s

(mは分、sは秒)

 

OPとEDも良曲で何度も聴きたくなるレベルだった。

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 余談であるが2008年の「年越しアニソン三昧ファイナル」でラストの曲にだんご大家族が使われたらしい。年越しの家族団欒で聴くにはぴったりの選曲である。

 

主に音楽を製作したのはこの3人

折戸伸治

戸越まごめ

麻枝准

この3人の存在がCLANNADを支えている。Keyの音楽は評価が高いがこの3人の功績だろう。

 

「街、時の流れ、人」作曲したのは折戸伸治、「渚」は麻枝准が作曲した。曲の完成度もさることながらBGMの入れ方にも工夫があった。

0m40sの「渚」は街の雑音と渚の呼吸と同時に入れている。長くなるので工夫のあったBGMシーンの時間を記しておく。

0m40s、13m17s、15m7s、20m50s、21m20s

 

同時並行する幻想世界

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ここはまだよくわかってない。第1話では5m41sに一回登場する。謎の語り部と少女のみが存在する世界。恐らく何かのメタファーなのだろうけど掴めない。

というのも幻想世界でのセリフは抽象度が高く一回で理解するのは困難であるし、これを書いた麻枝准はよほどシナリオの腕に自信があるとみて間違いない。

この辺がストーリーの才能がある人との差なのだろう。

 

ところで、同時並行する二つの世界というと村上春樹が思い浮かぶ。もしやと思い調べてみるとやはり麻枝准村上春樹の影響を受けてるらしい。CLANNADも村上作品が下敷きになっている可能性が高い。自分では結構すごい発見だと思っているので今度、村上春樹を読んでみて調査したい。

 

 

声優の技術レベル

主要キャラの声優陣はレベルが高い。AIR、Kannon、涼宮ハルヒの成功によって京アニのブランドが一躍上がったのも関係しているかもしれない。

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特に、際立っていたのが中原麻衣阪口大助

中原は声が綺麗なことに加えて0m40sでの深呼吸や会話の途中にためらいを入れたりと非常に技術が高かった。特に0m52sと9m42sの「あなたはこの学校が好きですか?」や21m45sなどが視聴者に訴えかけるような表現をしていた。

 

意外に思われるかもしれないが、春原はCLANNADにおいて貴重な存在である。全体的に重く暗い内容なので一人でボケとツッコミをしてくれる春原がいてくれると視聴者は安心する。

阪口大助のツッコミ能力はCLANNADの中でも群を抜いていた。2006年に銀魂が放映してるからそこで磨かれたのだろう。

参考程度に二人の良かったシーンを挙げておく。

中原麻衣 0m42s、0m52s、9m42s、13m30s、20m55s、21m45s

阪口大助 4m51s、14m17s

 

感想

CLANNADは音楽、キャラ、ストーリー構造がしっかりしてることがわかったので考察は骨が折れそう。書き忘れたが監督の石原立也はフラッシュカットが好きで第1話だけでも5回使っている。

あと早見沙織が女子生徒役で出演している。12m7sの右の女の子である。透き通った声をしているが、まだ16歳でデビューしたばかりである。恐ろしい才能の持ち主である。ちなみに隣の女子生徒を演じた志村由美は2016年をもって廃業した。声優業界も競争が激しそうだ。