涼宮ハルヒの新刊
2020年11月、涼宮ハルヒシリーズの新刊が出版された。
9年半ぶりの新刊らしい。
どちらかというと、9年経ったというのに大して成長していない自分の方に驚いているわけだが、ともかく新刊が出たとのことである。
涼宮ハルヒに関しては、以前こんな未来予測をした。
こちらはアニメ版ついてなのだが要約すると、「エヴァが完結しない限りハルヒも完結しない」である。ハルヒはエヴァを下敷きにしているので、下敷きとなる作品が完結しないと後続作品も着地できないという理屈である。
「涼宮ハルヒの直観」発売 2020年11月25日
「シン・エヴァンゲリオン劇場版」公開 2021年1月23日
エヴァより先にハルヒが動き出して焦ったのだが、元々エヴァの公開が6月27日だったし(新型コロナの影響で延期)、なにより両作とも完結が決まったわけではないので大目に見てほしい。
ちなみに谷川流本人は押井守のうる星やつらビューティフルドリーマーが好きであるらしい。
もっとも作家がインタビューで本音を喋るとは限らないので(むしろミスリードする方が多い)、引き続き自説を推していく所存である。予測を外すことよりも信念を曲げることの方が恥なのである。
結局のところ、完結してからじっくり読み解かないと断言できないので、早いとこ完結して欲しいのだが、如何せん終わらないから困ったものである。
予測ついでに、ハルヒの2期について話す。
仮にエヴァが今回の劇場版で完結あるいはほぼそれに近い停滞を見せた場合、上の予想に従えば、ハルヒシリーズは再び長期休刊することなく物語が進み始める。
そうなるとストックが溜まるのでアニメ2期の噂も流れるであろう。果たして京アニは2期を作るのか。
恐らく製作しない。
なぜか。
それは痛ましい事件によって貴重な人材が失われたからというのもあるが、現在の京アニの志向性も関係している。
けいおん!とユーフォニアムを比べれば分かる通り、近年の京アニは自らが孵化させたユートピア、ファンタジーから脱却して、徹底的に「現実の人間」を描くようになっている。(もっとも徹底的すぎて逆に現実的ではなくなっているのだが)
そういう流れの中で、突然涼宮ハルヒを出されても非常に不自然であるし、彼らの態度と矛盾する。日常系アニメが限界を迎え、少しずつ物語性が復権しつつある現在において、さらに前時代の産物である涼宮ハルヒのアニメを作ることの意義というのはほとんど無い。佐々木をアニメで見たいというくらい。とはいえ資本主義パワーによって、2期が製作される未来もありうるのでなんとも言えない。
(その場合は、高まりまくった期待を超えることなく、かつてオタクだった亡霊たちが満足して帰るだけという悲しい結末が待っているであろう)
まあ色々語るのは新刊読んでからにしろ、と叱られそうなのでこの辺にしておく。