アニメの感想など。

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涼宮ハルヒの憂鬱~全体構造編~

前回までキャラクターについて考察してきた

 

涼宮ハルヒの憂鬱~なぜ名作なのか~ - アニメの感想など。

 

涼宮ハルヒの憂鬱~エヴァとの関係~ - アニメの感想など。

 

 

今回は、涼宮ハルヒの憂鬱のなかでも重要な「憂鬱」の話に注目する。

 

憂鬱Ⅰ~Ⅵには奇妙なシーンが4つある。

 

  • 憂鬱Ⅰのハルヒの髪型が曜日によって変わる話
  • 憂鬱Ⅳの大人版みくるが言った白雪姫
  • 憂鬱Ⅴのアパート管理人が言った「その娘は美人になる。取り逃がすでないぞ」
  • 憂鬱Ⅵの終盤、キョンが言った「お前のポニーテールは似合っていたぞ」そしてキス

 

これらは何の意味も持たないシーンではなく、意図的に仕掛けられたものである。順を追って説明していく。

 

一つ目はキョンハルヒの最初の会話で特に意味はなさそうだが、髪型と曜日に注意しろ、というメッセージである。ハルヒから我々への忠告ともいえる。

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二つ目は憂鬱のラストに関わる伏線である。白雪姫(ディズニー版)は毒リンゴを食べて永遠の眠りについた姫が白馬に乗った王子様のキスで目覚める物語。ここで物語に出てくる数字に注目する。

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姫が7歳のときに魔法の鏡は「世界で一番美しいのは白雪姫だ」と言い、姫は7人の小人に守られる。そして一つ目の話に出た曜日も一週間つまり7日である。さらに、ハルヒを取り巻く人物もSOS団鶴屋さん+国木田+谷口=7人である。この7人が小人に対応している。

 

一つ目の話と白雪姫は7という数字で共通している。ちなみに白雪姫は春の話だが、「憂鬱」も4~5月なので春である。

 

三つ目は朝倉のアパートの管理人がキョンに向かってささやいた言葉。伏線というわけではなさそうなのに、キョンは意味ありげにハルヒを見つめている。

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ここで白雪姫の話を思い出す。

 

その娘は美人になる、ということは美しい白雪姫のことだから言い換えると、「涼宮ハルヒは白雪姫だ。お前取り逃がすなよ」という管理人からの警告である。すなわちキョンは王子様である。王子様が白雪姫を見つけてくれないと物語は成立しないので管理人は注意した。

 

四つ目が最も謎であるが、以上の三点を踏まえれば発言の意図が見えてくる。

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 白雪姫ではリンゴと白馬に乗った王子様が出てくる。リンゴはこのシーンの前に小泉が言った「アダムとイブですよ」に関係してくる。イブは蛇にそそのかされて知恵の実、つまりリンゴを食べ、アダムにもそれを勧めて食べさせた。そして楽園を追放させられた。

 

アダム役はキョン、イブ役はハルヒである。ハルヒは閉鎖空間の中で共に生きようと勧めてくる。これはリンゴを勧めるのに対応している。

 

ただそうすれば楽園つまりSOS団を失うことになる。今の生活を選ぶにはハルヒの目を覚まさないといけない。

 

ちなみに聖書にも7は重要な数字として出てくる。「神は世界を7日で作った」「7つの大罪」聖書と白雪姫、そして涼宮ハルヒには深い関係があるとみてよい。

 

そしてキョンSOS団のある世界を選択し、ハルヒにキスをする。ここで白馬の王子様が登場する。王子のキスにより白雪姫は目を覚まして、めでたしめでたし。ポニーテール発言はポニーつまり馬を示している。

 

キスする前に「ポニーテールが好きだ」と言ったのはキョンが白馬に乗った王子様と対応していることを暗示するためである。

 

白馬じゃなくてポニーだというところがいかにもキョンらしい。

 

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ここまで見てきたように「憂鬱」には何気ない日常のシーンにも深い意味が込められていた。下の表は「憂鬱」の構造をまとめたものである。

 

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青色は先ほど説明したシーン、赤色はハルヒが急に着替えだしたり帰ったりするシーン。各話に一回ずつ全部で6回ある。薄緑はハルヒの思想についてである。茶色はハルヒからみくるへのセクハラのシーン。

 

エヴァとの対応関係

 

表の太字はエヴァに対応する事象である。

 

長門のメガネとアパートへ行くはキャラクター構成の項で述べた。メガネがゲンドウと対応、アパートへ行くシンジが綾波レイのアパートへ行くのと対応

 

神人はエヴァ使徒に対応、閉鎖空間はATフィールドに対応

 

ハルヒキョンの首を絞めるのは旧劇ラストでシンジがアスカの首を絞めているのに対応

 

ハルヒが望んだ世界はエヴァが暴走した結果起こる人類補完計画後の世界に対応。またそのどちらとも主人公に阻止されることで対応

 

 ポニーテールとキスはポニーに乗るつまりハルヒエヴァを乗りこなすことに対応、キスはシンジとアスカのキスに対応

 

エンドレスエイトエヴァでよく使われる過去の場面が繰り返し出てくる心理描写に対応

 

 

そもそもエヴァキリスト教に深く関係した内容なので似ているのは当然なのかもしれない。

 

 

などキリスト教関連のワードがたくさん出てくる。

 

ちなみにシンジやアスカの年齢は14歳で白雪姫も14歳である。ただしエヴァが白雪姫を下敷きにしているかは不明である。

 

次に、下の表は涼宮ハルヒの憂鬱(2009年版)全体の構造をまとめた章立て表である。

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「憂鬱」「ライブアライブ」「サムデイインザレイン」「笹の葉ラプソディ」以外はそこまで良くない。

 

ライブアライブは9分間にわたるライブシーンの出来がとても良い。渚カヲルが言ってたように歌はリリンの産みだした文化の極みである。

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笹の葉ラプソディは七夕、つまり7月7日が重要である。ここにも7が出てくる。劇場版へ続く伏線の一つなのでおさえておく必要がある。

 

サムデイインザレインは憂鬱に次ぐ重要なエピソード

 

ここまであえて触れなかったが、7が重要と言いつつ「憂鬱」は6話構成になっている。1話足りないので整合性がつかない。

 

ここで聖書に注目する。「神は7日で世界を作った」しかし厳密には7日目に神はお休みになったとある。つまり神は6+1日で世界を創造したことになる。この+1日に当たるのが「サムデイインザレイン」である。この回だけ淡々と、静かに進んでいくのはこのためである。

 

1話冒頭で坂を上りながら始まり、最終話ラストで坂を下りながら終わる物語なのである。

 

憂鬱とサムデイインザレインの対比関係については下の表にまとめた。

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思ったこと

 

聖書でイブをそそのかしたのは蛇なのだが、涼宮ハルヒの中に蛇はいるのだろうか。憂鬱Ⅵでキョンハルヒと閉鎖空間で生きるように促す人物が一人いる。小泉一樹なのだが、蛇は裏切りの象徴であるので今後の展開が非常に気になる。

 

あと猫のシャミセンは三毛猫と三味線ということで3という数字が隠されていて、3とは長門、みくる、小泉の3人である。3人とも互いに異なる意見を持っていて対立していることを暗示している。

 

次回は劇場版涼宮ハルヒの消失について説明する。